住所 | 滋賀県大津市本堅田1-7-16 |
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TEL | 077-573-0002 |
アクセス | JR堅田駅より江若交通堅田町内循環線(浜大津線)、「堅田出町」停留所を南へ徒歩約3分 |
風光明媚な琵琶湖のほとりにある総石数約350の小さな酒蔵。能登系の前杜氏の金井泰一氏がつつみ隠さず教え伝えてくれた経験やノウハウを糧に、経営者兄弟が杜氏&蔵人として酒を醸す。17年前に建て替えた蔵は、コンパクトながら作業効率が高く思い通りの酒が造りやすい環境だ。
この蔵の最大の特徴が、酒瓶のラベルの杜氏欄に書かれた“3兄弟”。社長であり長男の中井孝さん曰く“長男は釜屋、次男は杜氏、三男は麹屋”の分担で、3人が揃ってこそ造れるのだそう。3人に酒造りを伝授したのは能登杜氏の金井泰一さん。7年間の修業ののち、杜氏になって今年で10年、今が熟成期だ。
長男で社長の中井孝さん。孝さんがお客さんの嗜好などをリサーチし酒の方向性を考え、次男が酒の設計図を作る。
ほかの酒蔵とまったく違うのが、3階建ての立体的な構成の建物。真ん中に階段を配し仕込蔵や麹室などがその脇に配される。最盛期には、寝る間も惜しんで管理しないといけないのが吟醸造り。 「どれだけ室に近いところで寝れるか」が大事なのだそうで、蔵の中心部に寝泊まりでき、食事するスペースが設けられている。
蔵の中心部にある家族やスタッフと食事をするスペース。最盛期に子供の顔をみられるのは、食事のときだけだそう。
趣味人でもあった中井社長の祖父の住居を夏季限定のうなぎ料理店として活用。1932年(昭和7年)に建てられもので、俳人の高浜虚子も逗留していた。利用は昼のみの1日10食限定。社長が接客係として付くことも多く、通常販売されている浪乃音の日本酒のほか、“蔵元コレクション”と呼ばれる限定酒や非売品が供されることもある。
風情や趣のある庭。店名の「余花朗(よかろう)」は
社長の祖父の俳号。料理はうなぎ中心のコース仕立て。
現在、蔵にあるのは600~900kgの小型のタンクのみ。蔵人も3兄弟+いとこ、それにアルバイトの純朴な高校生たちのみだとという。これは全くマイナスなことではなく、気心の知れたメンバーだけでやることで計算された思い通りの酒が完成するのだとか。自分たちがしっかり面倒をみることができる分量の酒を造るからこそブレのないコクキレ吟醸が生まれる。
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タンクはどれも小型。数量も決して多いとは言えないが、これ以上大きいと管理や醸造が難しくなりおいしい吟醸は造れないとか。
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いくつもの工程ができるよう、作業場もシンプル。写真は干場兼洗い場。醸造期は、ほかの蔵より早めの朝5時から作業をはじめる。
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仕込蔵や貯蔵場は、エアコンを使い温度や湿度を管理。しっかり管理することで思い通りの味や香りが生まれる。
辛口
原料米 | 山田錦 |
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精米歩合 | 50% |
酵母 | 14号酵母 |
仕込水 | - |
日本酒度 | +1 |
酸度 | 1.7 |
度数 | 16 |
辛口
原料米 | 渡船 |
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精米歩合 | 50% |
酵母 | 9号酵母 |
仕込水 | - |
日本酒度 | +2 |
酸度 | 1.7 |
度数 | 16 |