住所 | 滋賀県高島市勝野1387-1 |
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TEL | 0740-36-1011 |
醸造量 | 約800石 |
創業 | 1749~1751年 |
アクセス | JR近江高島駅またはJR安曇川駅よりコミュニティバス横山田中線・鴨西線・鴨東線乗車、「高島本町」停留所を南へ徒歩約3分 |
比良山系の雪解け水を使って造る酒は、やさしい味わいが特長。渡舟や吟吹雪などの地元産酒造好適米だけでなく、何度も失敗しながら地元産のコシヒカリで醸造するなど、郷土愛と開拓精神が共存する。主要部分が220年前に作られたという蔵自体の歴史的価値も高い。
「仕込みたい酒によって使い分けています」というのは新旧2つある麹室(こうじむろ)。古い麹室では約48時間かけて本醸造酒などを、ステンレス製の壁がピカピカと光る新しい麹室では、約56時間かけデリケートな吟醸系の麹作りをする。仕込蔵も3カ所に分かれていて、小型タンクが並ぶ蔵では純米酒や吟醸酒の仕込みが行われる。
冬場は約32度で高湿度になるため
蔵人たちが汗だくになるという麹室。
新型は湿度や温度管理がしやすい。
蔵から西へ約8kmほどの所にあるのが畑の棚田。15.4haに、傾斜に逆らわず幾何学模様に広がる棚田は“日本の原風景”として高く評価されており、この地区の宝物といってもいいところ。この棚田の保全・維持を願い、このエリアで造られたコシヒカリを購入し純米吟醸酒を造っている。しかも、この「里山」という酒が非常においしい。
最初の3年程は思う味が出せず苦労したという。
酒造好適米とは違った甘旨さを持っておりファンも多い。
晩酌などに愛飲されるため県内向けの出荷も多い。比良山系から、砂地で濾過されて琵琶湖に届く水たちは、軟水。これにあわせるのは、やはり地元産がいいと、どうしても必要な吟醸酒や純米酒用の兵庫県産の山田錦以外はなるべく地元産の米でお酒を造る。この水と米が“やさしい酒”といわれる萩乃露の個性の源。
米の種類が多く限定酒なども定期的に出すため、
必然的に酒の種類も多くなる。最近は、レモンの酒が人気。
創業は寛延元年(1748年)頃というから260年以上前。建物も相当古く、社長の福井毅さんも「100年以上は間違いないと思いますが、いつ頃建てたかは…」という。何度も増築されており古い部分は220年ぐらいでは?とも言われている。土壁の仕込蔵は、外気と3~4度違うこともあるという天然のエアコンが働いている状態。
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今は使われていないが、2階にものを運びあげるための滑車が天井からぶら下がる。先人たちの知恵や努力を感じさせる。
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広い土地をたっぷり使って建てられた蔵。その周りには澄んだ水の流れる用水路が。この用水路自体の歴史も古いそう。
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蔵元が接遇してくれた部屋も趣のある落ち着いた雰囲気。9代目まで引き継がれてきた、装飾や調度品が伝統や格式を感じさせる。
山田錦を親に持つ地元産の酒米「吟吹雪」で作られた純米酒。やわらかさのなかにほどよいコクとキレがあり、ひやでも燗でもおいしく飲めるオールマイティさが魅力。価格もリーズナブル。
やや辛口
原料米 | 吟吹雪 |
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精米歩合 | 65% |
酵母 | 9号酵母 |
仕込水 | 中軟水 |
日本酒度 | +1.5 |
酸度 | 1.4 |
度数 | 15 |
こしひかり棚田米 - 地元の名所「畑(はた)の棚田」で収穫されたコシヒカリから醸造。この「里山」を通じて棚田の保全に取り組む。地元の自然を後世に伝えようという蔵元の志を感じる1本。
甘口
原料米 | こしひかり |
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精米歩合 | 60% |
酵母 | 天然酵母 |
仕込水 | 中軟水 |
日本酒度 | -4 |
酸度 | 1.6 |
度数 | 17~18% |